必見!!「ブラックバイト」と呼ばれないための企業対策とは

厚生労働省から発表された「大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査結果について」はご覧になりましたか? 自社の非正規雇用をブラックバイトと呼ばれたりしないように、早急に対策をたてましょう!

では、今回の厚労省の発表を受けて、大学生のアルバイトの実態や労働条件通知書について、どうすべきなのか一緒に考えてみましょう。

ブラックバイトとは

簡単にいうと、非正規雇用の労働者に、長時間勤務や過重な労働を強いる違法性の高いアルバイトのことです。労働者は本来の生活ができないような状況になってしまいます。

労働者の立場から見ると、企業の人手不足を補うために採用時の約束を無視されて会社にシフトを一方的に決められてしまったり、休憩時間なしで働かされたり、ノルマを課せられて自腹で買い取りさせられたり、業務上のけがなのに労災を使わせてもらえなかったり…… と、数々の違法行為を耳にします。

ブラックバイトが蔓延中!? 大学生のアルバイトの実態

企業における非正規雇用の基幹化

「非正規雇用の基幹化」という言葉をご存じでしょうか。本来なら、業務量の変化に応じて人員調整ができれば良いのですが、正社員を簡単に増減させることは部門間異動を使っても大変なことです。「人件費は抑えたいが柔軟に人員調整もしたい」という状況の中で、非正規雇用の労働者が次第に増えるようになってきました。その代表的な存在が大学生のアルバイトです。

正社員を雇用すると賃金以外にも各種のお金がかかります。この人件費を削減する為に、昔は正社員がやっていた仕事も大学生などのアルバイトで代用するようになりました。全労働者における非正規雇用の労働者の数やその割合が増えることを「量的基幹化」と言います。また、非正規雇用の労働者に判断や責任の伴う業務や始動や管理の業務などをさせることを「質的基幹化」といいます。

ブラックバイトと学生の関係

この非正規雇用の基幹化のように、非正規雇用の労働者を雇用する企業が増えてきました。

独立行政法人日本学生支援機構のデータで平成22年と平成24年を比較すると、学生のアルバイト依存度がじわじわと増えていることがわかります。

学生の収入状況(一部加筆)
(独立行政法人日本学生支援機構 平成24年度学生生活調査についてより 学生の収入状況(一部加筆))

また、全国大学生活協同組合連合会の第50回学生生活実態調査の概要報告を見ると、仕送りの減少をアルバイト収入の増加で支えていることが分かります。もちろん、大学生のアルバイト全てがブラックバイトではないでしょうが、アルバイトの収入が生活に直結している大学生は多いと言えるでしょう。それは、半数が現在の暮らし向きを「楽」といいながら、今後の収入面を「アルバイトを増やす」ことで対策すると答えていることでも想像できます。

低賃金の非正規社員に責任のある仕事を担わせるという「非正規雇用の基幹化」はブラックバイトの増加を加速させています。業務量やその難易度は格段に上がったにも関わらず、賃金や待遇は低いままというブラックバイトは、大学生の健全な社会参加に悪影響しかありません。

労働基準法や各種の労働法規にも抵触するこのブラックバイトをなくすために、企業としてどのような対策をとるのがスマートだと思いますか?

ブラックバイトと呼ばれないための対策7つ

非正規雇用も正規雇用も労働者です。ですから、労働基準法は雇用形態に関わりなく守るべきものです。

その1 労働条件通知書の交付(労使双方の署名・捺印も)

短期間でも労働者を使用する場合には、労働条件通知書が必要です。未交付だと30万円の罰金なので注意です。

その2 賃金は事前に決めた日に必ず支払いましょう。

賃金支払いの5原則は、「通貨で、全額を、労働者に直接、毎月1回以上、一定の期日に」支払うことです。

その3 残業手当の計算を正確にしましょう。

労働基準法の一部が平成22年4月1日から施行されましたが、チェックは済んでいますか? 労働基準法の労働時間の原則でもある1日の労働時間は8時間以内、1週間の労働時間は40時間以内という規定は、アルバイトにも適用されます。

その4 有給休暇の付与は確実に行いましょう。

雇用形態に関わらず、一定の条件を満たせば、労働者の当然の権利として有給休暇は使用させてください。平成28年4月から有給休暇の取得が義務化される方向ですから、今のうちに改正内容を確認しておいてください。

その5 労災は正社員だけのものではありません。

アルバイトにも労災保険は適用されます。業務による病気やけが、通勤によるけがなどで病院などでの治療が必要な時には、健康保険は使えません。病院など医療機関の窓口で労災保険を使うことを申し出るように、労働者に指導してください。たとえ、会社が労災保険に未加入でも労働者は労災保険の請求ができます。また、労災が原因での休業に関する補償も利用できます。

その6 労働者は自分の意思で退職できます。

ブラックバイトと呼ばれるケースの中には、補充人員の不足などを理由に退職の自由を認めていないものもありますが、違法です。本来、労働者には職業選択の自由(憲法22条)や、退職の自由(民法627条)が認められています。

その7 アルバイトを勝手にクビにはできません。

社会の常識や合理的な理由を欠いた理由で、会社から一方的にクビにはできません。

さいごに

ブラックバイト問題は、企業の社会的信用を失墜させることもある大きな問題です。高騰する人件費は頭の痛いものですが、ブラックバイトと呼ばれないように、賃金や待遇面も含めて使用するアルバイトについて考えてみてください。