“保育園落ちた日本死ね”ブログで話題の待機児童問題って?

“保育園落ちた”ブログで話題の待機児童問題って?

「保育園落ちた日本死ね!!!」と題した記事が、大きな反響を呼んでいます。
連日メディアを賑わし、待機児童問題が政治の世界でも大きな社会問題として取り沙汰されています。
待機児童数は7年間連続増加し、2015年4月の時点で2万人を超えています。待機児童問題の根幹は保育所と保育士の不足の2つです。問題の背景をまとめました。

待機児童問題の発端は保育所ニーズの増加

日本の出生率が下がっていることは誰もが知っていますね。なのに、どうして待機児童問題は解決しないのでしょうか? 答えは簡単。保育園のニーズ、つまり共働き世帯が増加しているからなんです。今の時代、夫婦で働かなければ家計を支えるのは難しいですし、子どもを産んでも働き続けたいと希望する女性が増えています。そうすれば自ずと保育所に入園する子どもは増えていくわけです。

結果、首都圏で保育所が足りなくなる

しかし、日本は保育所に通う子どもの増加についていけず、待機児童が増えていきました。

待機児童の大部分は人口の多い東京、埼玉、千葉、神奈川、京都、大阪のような都市部に集中しています。ですが、認可保育所は国の定めた基準に沿った施設の広さや園庭が必要です。狭い首都圏では保育所を建てるだけの土地も費用も足りません。また、「子どもの声がうるさい」といった住民の反対もあり、新しい保育所が作れない状態なのも無視できません。

保育士が足りず待機児童数が増えている

そして、保育士が減っていることも待機児童数が増加する大きな原因のひとつ。最近では待機児童の増加により保育施設は増えてきていますが、肝心の保育士が不足しているために、児童の受け入れを制限せずにはいられないんです。その背景には、保育士の処遇が悪いこと、いわゆる「ブラック化」している現実があります。保育士は1日中元気な子どもの世話をし、家に持ち帰る残業も多いのに、平均年収は200万〜300万程度だと言われています。初任給だと15万円〜20万円ほど。これでは生活ができません。そのため、保育士を退職して別の職業に就く人も多く存在するのです。

保育所に入れないのに待機児童じゃない!?

厚生労働省は2001年に待機児童の定義を変えました。自治体が独自に建てる「認可外の保育施設に通いながら待機している児童は待機児童から除いて良い」というものです。2001年時点の旧定義では3万人以上いた待機児童は2万人に減っています。

厚生労働省は「自治体が独自の基準を定めて適切な保育を提供しているため」新定義の数え方で妥当だとしています。

なお、認可保育所と認可外保育所の違いを簡単に説明するとこのようになります。

認可保育所:所得により保育料の軽減などもあり、国の基準に合った設備や広さがある
認可外保育所:保育料は施設ごとで違い、園庭がないところも

すべての認可外保育所が認可保育所に劣るわけではありません。しかし、自宅からの距離や保育料などさまざまな理由により希望した保育所に通えないという現実は厳しすぎると言えます。

自治体によって待機児童数の数え方も違う

そのうえ、自治体でも待機児童の数え方が違うんです……。朝日新聞デジタルの「待機児童問題」のページは、自治体の待機児童の解釈の違いを詳しく掲載しています。例えば子どもの預け先が見つからず育児休暇を延長した場合、世田谷区は「待機児童数に数える」と答え、横浜市や川崎市は「待機児童数に数えない」としています。解釈を曲げれば待機児童の数を大幅に減らすこともできるんです。ですから、もし今住んでいる地域の待機児童数が少なくても、現実的には、保育所に入所できていない子どもが潜在している可能性があるのです。

さいごに

待機児童問題がどれくらい深刻であるか理解していただけましたか? 待機児童を減らすために今必要なことは、保育士の労働環境を改善することです。国としてもこれから待ち受ける人口減少社会により、さらなる女性の社会進出を望んでいるはずです。保育所を増やすだけの表面的な対策に終わらないことを祈るばかりですね。

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