ポイントは4つだけ。意外に勘違いが多い有給休暇制度

まだ休める!?

皆さんは有給休暇を自分が何日分持っているかご存じですか? 年にどのくらい増えて、どのくらい減るか……。法改正で、平成28年4月から有給休暇の取得が義務化される方向ですが、内容を確認してみましょう。

ポイント1 有給休暇とは

有給休暇(正確には年次有給休暇と言います。)は、一定の期間勤続した労働者が心身の疲れをいやし、ゆとりのある生活をするために与えられる休暇のことで法律で定められているものです。この有給休暇を会社から付与されるためには条件が二つあります。

  1. 雇い入れの日から6カ月が経過していること
  2. 算定期間の8割以上を出勤していること

条件を満たすと、有給休暇が付与されます。最初に付与されるのは、雇い入れの日から6カ月が経過した時です。その後、1年が経過する度に所定の日数が付与されることになっています。この日数は、一般の労働者とパートタイム労働者では違います。短時間労働者の場合には、一般の労働者とは違い比例的に付与され、この仕組みを比例付与と言います。

有給休暇の付与日数
年次有給休暇とはどのような制度ですか。パートタイム労働者でも有給があると聞きましたが、本当ですか。|厚生労働省より

ここでいうパートタイム労働者とは、週の所定労働時間が30時間未満かつ週の所定労働日数が4日以下もしくは年の所定労働日数が48日から216日までの労働者のことです。
労働者に有給休暇を上手に利用させることは、労働者の心身を健全な状態に保ち、ひいては会社としての生産性を上げたり、労働災害の防止にもつながります。結果として、会社の経営にも良い影響を与えることになります。

ポイント2 有給休暇を取得する権利

労働者には有給休暇を自由に取得できる権利があります。基本的に理由の如何を問わず、好きな時に労働者が取得できます。でも、「明日、有給休暇を使いたい」といきなり請求する人が大勢いたら会社としての正常な業務に支障が生じることも考えられます。ですから、就業規則等で、例えば「3日前までに請求するように」など、有給休暇を取得する際の規定をしておくと安心です。

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ポイント3 有給休暇の時季変更権

労働者からの有給休暇取得の請求は拒否できないとは分かっていても、時期によっては業務に支障をきたすこともあります。繁忙期等、人出が余分に欲しい時期の有給休暇取得は、業務の円滑な遂行に支障があり、また他の労働者の負担も増してしまいます。こうした場合、会社には時季変更権が認められています。

時季変更権を行使できるケース

事業の正常な運営を妨げる諸般の事情(事業の内容や規模、有給休暇を請求した労働者の担当する業務、時期の繁閑、予定された休暇日数、他の労働者の休暇との調整等)を検討して、総合的に判断します。もちろん、労働者の希望する時期に休暇を与えるように努めることは言うまでもありません。

この時季変更権は、労働者から「指定された時季」の休暇を上記に挙げたような諸般の事情から拒否できる権利であって、他の日を代替案として指定する必要はありません。

労働基準法第35条第5項但書
使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。

会社は、この時季変更権の行使による場合を除いて、労働者の指定した希望の時季に有給休暇を与えることになっています。

ポイント4 有給休暇の次年度以降への繰り越し

有給休暇の請求権の時効は2年間です。これは、労働基準法第115条の規定によります。有給休暇の請求権は、基準日に発生します。その基準日から2年後に時効によって請求権がなくなる=その有給休暇は消滅します。

有給休暇の買い取りは認められるのか?

原則として、有給休暇を買い取るかどうかは各社の就業規則によります。もし、買取制度がある場合でも労働者の希望額とは異なる場合もありますので、就業規則を確認してください。

1.法定日数を超える有給休暇日数を付与されている場合

労働基準法で規定されている有給休暇日数(法定日数)を超えて付与されている分は、買取が認められています。詳細な方法は、就業規則等で確認してください。

2.時効の2年間で有給休暇を取得できなかった場合

時効になると手持ちの有給休暇は基本的に繰り越すことができません。取得できなかった分は、買い取りが認められています。

3. 退職するときに未消化分があった場合

退職前に有給休暇を取得しきれないこともあると思います。退職する労働者自身は退職前に消化する予定だったにもかかわらず、引き継ぎ等のために会社から時季変更権で時季の変更を依頼されることもあります。転職先が決まっている場合等で退職日が決まっている場合等を想像してください。時季を変更しようがないので会社に有給休暇を買い取ってもらうことが認められています。

さいごに

有給休暇は、労働基準法で規定された労働者の権利ですが、その時期や買い取りなど会社によって実務上の扱いが異なる場合もあります。労働者が気持ち良く有給休暇を取得できるように、就業規則の規定を確認してみてください。

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参考サイト

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