ここが違う! 改正後の障害者雇用促進法のポイント6つ

平成28年4月に新たな障害者雇用促進法が施行されます。改正後は「精神障害者」も障害者枠に入り、よって法定雇用率も引き上げに。障害者の差別禁止も加えられ、より平等に障害者と接する工夫がされています。

平成25年に改正された障害者雇用促進法が、平成28年4月から施行されます。もう1年を切っていますね。今回は障害者雇用促進法の改正前との違いを解説します!

目次

【障害者雇用促進法ポイント1】障害者の範囲が広がった

第1条では「身体障害者または知的障害者の雇用義務等に基づく」だったのが改正後→一括して「障害者」となっています。

なぜかというと、身体・知的障害者に注目されていた改正前から「精神障害者」も追加されたからなのです! なお、精神障害者にはADHDを代表とする発達障害やてんかんも含まれます。

また、この法について、「障害者とそうでない者との均等な機会および待遇の確保、並びに障害者がその有する能力を有効に発揮できるようにするための措置」という前置きがされています。このことから、国はより障害者を差別をなくすことや積極的に雇用することに重点を置いているのがわかりますね。

【障害者雇用促進法ポイント2】差別は禁止!

差別については改正前は特筆されていませんでしたが、第34条〜第36条が新しく書き加えられ、改正後は明記されています。

法では「雇用の分野における障害を理由とする差別的取扱いを禁止する」とあります。では、どんなことが「差別的取り扱い」になるのでしょうか?

まず、車いすや人工呼吸器を使っているから不採用にしたり解雇したりするのが差別なのは誰にでもわかりますよね。

では次に、普段の仕事や待遇での差別の具体例を見てみましょう。

  1. 給料を下げる、給料を低くする、昇級をさせない
  2. 研修や実習を受けさせない
  3. 食堂や休憩室を利用させない

結構当たり前なことですよね。

【障害者雇用促進法ポイント3】障害者の立場に立って考えて

また、事業主は障害者の能力が発揮できるように壁となるさまざまなことを解決しなければなりません。障害者でない人と同じスタートラインに立って働けるようにするべきです。

例えば

  • 採用試験の時間をのばす
  • 問題用紙は点訳や音訳をする
  • 車イスを使う人には、机の高さが調節できるようにする
  • 知的障害がある人には図や絵を使ってわかりやすく説明する

など、いろいろな工夫が必要になりますよね。これを「合理的配慮の提供義務」と言います。

ですが、事業主にかなりの負担が集中してしまうのであれば無理して行う必要はありませんのでご安心を。

【障害者雇用促進法ポイント4】障害者の言葉に耳を傾けること

第3章の2「紛争の解決」に当てはまります。

障害者である労働者から相談や苦情がきたときは自主的に解決しましょう。これは努力義務に止まってはいますが、放っておくと痛い目に。このようないざこざは、都道府県労働局調が助言や指導を勧告できるようになり、新しく設けられた調停制度の対象にもなるのです。

第3章の2「紛争の解決」
(厚生労働省「障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案要綱」(PDF)を元に作成)

【障害者雇用促進法ポイント4】障害者の言葉に耳を傾けること

【障害者雇用促進法ポイント5】法定雇用率が上がります

国は事業主に対して、障害者雇用率に合った身体障害者・知的障害者の雇用を義務付けているのはご存知ですよね。民間企業の法定雇用率は2.0%でしたね!

ですが、この障害者雇用率は平成30年3月31日までとなっています。

上記の通りこれからは法定雇用率の「障害者」にも「精神障害者」追加されます。よって、法定雇用率も上がるのです。

ただし、いきなり雇用率を上げて企業に負荷がかからないように、平成30年から5年間だけは法定雇用率を下回っても良いようです。

ちなみに計算式はこんな感じ。

雇用率の計算式
注:障害者数=身体障害者+知的障害者+精神障害者
(厚生労働省「障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案要綱」(PDF)を元に作成)

【障害者雇用促進法ポイント6】納付金制度にも変化が……!

納付金制度とは雇用率が未達成な企業は、月に不足人数×5万円を払う制度のこと。

今までは200人以上を常時雇っている企業が対象でしたが、平成27年の4月からは100人以上の企業まで対象が広がりました。

ですが、法定雇用率を上回ると月に人数×2万7千円が支給されます。

なお、100人以下の規模でも雇用率より4%もしくは6人より多く雇った場合は、月に障害者雇用人数×2万1千円が支給されるので申請はしておくべきです。

さいごに

平成26年の法定雇用率を達成した企業の割合は44.7%、実雇用率も1.82%と過去最高を記録しました。雇用障害者数は43万1,225.5人で、前年と比べて5.4%も増加しているのです! さらに、平成26年度の職業紹介状況でも、障害者の就職件数は84,602件。前年度よりも8.6%増加し、5年連続で記録を更新しています。また、26年度では精神障害者の就職件数が身体障害者の就職件数を大きく上回りました。

一方で、日本の障害者人口は約6%、1000万人近くと言われています。単純に計算してみても実際は障害のある方の約5%程度しか働けていないのです。

そのため、これからも法定雇用率は上がっていく見通しです。

【参考】

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