最新!法改正あり!障害者の法定雇用率

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日本では、時代と共に障害者の雇用対策が充実してきています。障害者の法定雇用率の引き上げもその一つです。では、雇用対策が充実してきているのに、なぜ障害者の法定雇用率を引き上げるのか?考えてみました。

そもそも「障害者」とは?

目に見える四肢の障害以外にも、内部障害として視覚障害や聴覚・言語障害、心臓機能障害、膀胱または直腸機能障害等や、理解・判断することに困難を伴う知的障害、精神障害等様々な障害があります。

目には見えない障害の場合には周りの人の理解がなかなか得にくいために、健康な人と同じような労働環境では肉体的にも精神的にも大変な苦労があっても、状況が改善されにくいこともあります。

障害者の法定雇用率とは?

健常者と障害者の共生できる社会を目指し、国は事業主に対して使用する労働者における身体障害者・知的障害者の法定雇用率を一定以上に保つように義務付けています。精神障害者に関しては雇用義務が設定されていませんが、雇用した場合には身体障害者・知的障害者を雇用したとみなされます。

平成26年は障害者の法定雇用率を達成できたか?

障害者雇用促進法では、事業主は常時使用する労働者のうち指定された割合の障害者を雇い入れることが義務付けられています。今回、厚生労働省から発表された「平成 26 年 障害者雇用状況の集計結果」を見てみましょう。

障害者雇用数、実雇用率について

今回の調査では、民間企業では障害者雇用数、実雇用率共に過去最高を更新しました。しかし、そのような状況でも、障害者の法定雇用率を達成した企業は44.7%(前年比2.0ポイントアップ)です。公的機関や独立行政法人でも、障害者雇用数、実雇用率共に過去最高を更新しました。

民間企業における障害者の雇用状況
厚生労働省web(PDF)より

障害者の法定雇用率未達成企業の状況

全体として好転してきているとは言え、国から定められている障害者の法定雇用率を達成できなかった企業は平成26年には47,888社ありました。そのうち、雇い入れている障害者の人数の不足数が0.5人もしくは1人である「1人不足企業」は63.5%です。障害者を一人も雇い入れていない「0人雇用企業」が何と59.4%もあります。
障害者を雇用するには、作業施設や設備等の改善、職場の労働環境の整備、特別な雇用管理等を要することが多く経済的負担も伴います。

障害者の雇用率が上のグラフで確認できましたので、次は企業規模別にどのくらいの数の企業が法定雇用率を達成できているのかを見てみましょう。

企業規模別達成企業割合
厚生労働省web(PDF)より

労働者数が1,000人以上の規模が一番良い結果でしたが、それでもまだ半数弱しか達成できていないことが分かります。この調査は、毎年6月1日時点の雇用を基に行われます。
平成25年に数値が下がっていますが、平成25年4月1日に障害者の法定雇用率が引き上げられたことに関連していると見るのが妥当でしょう。

平成25年4月1日に障害者の法定雇用率は、従前のものから0.2%程度引き上げられました。

法定雇用率
厚生労働省webより

障害者の法定雇用率を進めるのは…

根底には、最初にお話ししたように「共生」が挙げられます。障害者も地域の一員として共生する為には、職業をもち自立を進める必要があるからです。共生できることによるメリットを十分に考え、そのような社会を実現することが求められています。

障害者の法定雇用率を達成できないとどうなるのか?

平成27年4月に改正障害者雇用納付金制度が施行されました。平成28年4月に申告が開始になります。これによって、常時使用する労働者数が100人を超え200人以下の中小事業主にも障害者雇用納付金の申告が課されます。平成27年3月までは、常時使用する労働者数が200人以上の会社が対象でした。

改正障害者雇用納付金制度スタート
厚生労働省webより

事業主の皆様へ
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構webより

障害者雇用納付金制度とは

事業主は法律で定められた人数の障害者を雇用しなければいけません。障害者の法定雇用数をクリア出来なかった場合、障害者雇用納付金の納付が必要になります。
障害者を雇用する為には環境等の整備等で経済的な負担もあることから、障害者の法定雇用率を達成している会社と未達成の会社の経済的な負担の差が生じます。事業主の社会連帯責任の実現や、経済的な負担の調整、障害者の雇用の促進と雇用の安定を図るために設置されたものです。

改正のねらい
厚生労働省webより

雇用障害者数のカウント方法
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構web(PDF)より

さいごに

障害者の法定雇用率をクリアする為には、職場の労働環境を整えたり、勤務状況に配慮をしたりする必要もあります。社内の環境をハード、ソフトの両面から考え改善することは一般社員の労務管理にもつながりますのでご一考ください。

<参考・web>

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