3つ覚えればOK!誰でも分かる報酬月額変更届のポイント

報酬月額変更届と聞いて、正確に説明できますか?最近では、雇用形態が様々なものに変化し、それに伴って報酬も変動することが増えてきました。必要な届出を必要なタイミングでするプロ人事マン必見のお話です。

目次

報酬月額変更届とは?

標準報酬月額は、資格取得時決定(被保険者資格取得届)と定時決定(算定基礎届)によって決定されます。決定され た標準報酬月額は、原則としては次回の定時決定まで引き続き適用されます。次回の定時決定までの間に昇降給や何かの事情で、報酬の額に大きな動きがあった 場合には手続きが必要です。

報酬の額に大きな動きがあり、かつそれが3カ月以上継続した場合には、その報酬の額を基にして4カ月目からの標準報酬月額を変更(改定)します。これを随時改定といいます。

報酬月額変更届が必要な場合とは?

  • ポイントその1)昇降級があって、固定的賃金が大きく変動した
  • ポイントその2)変更後、引き続く3カ月間の平均報酬額が、それ以前の標準報酬月額と2等級以上の差がある
  • ポイントその3)3カ月とも月の賃金支払基礎日数が17日以上

※ この3つの要件を全て満たした場合に、届出が必要です。

次に、この3つの要件を詳しく見ていきましょう。

報酬月額変更届ポイントその1)昇降級あり、固定的賃金が大きく変動した

社会保険の制度では、給与は「固定的賃金と変動的賃金」で考えます。この「固定的賃金」が大きく変動した場合が、要件1です。昇降級以外に、基本給のアップ、新制度創設による新手当を得た場合などがあります。ただし、休職による休職給をもらった場合には、固定的賃金の変動にはあたりません。

報酬月額変更届ポイントその1)昇降級あり、固定的賃金が大きく変動した

報酬月額変更届ポイントその2)変更後、引き続く3カ月間の平均報酬額が、それ以前の標準報酬月額と2等級以上の差がある

ア、 固定的な賃金が変動して、それ以降の引き続く3カ月間に被保険者が受け取った報酬の総額を3で割って1カ月当たりの平均を求めます。

イ、 上記アで求めた1カ月当たりの平均額が該当する標準報酬の等級と従前の等級とで2等級以上の差があるかどうかをチェックします。

「2等級以上の変動」は、固定的な賃金だけではなく、変動的な部分(例えば、毎月のようにかわる残業手当など)も含んで考えます。

標準報酬には上限と下限があります。その人の従前の等級によっては、賃金の額に大きな変動があったとしても等級が2等級以上変わらないこともあります。従前の等級が上限に近い人や下限に近い人の場合が、これに該当します。そのため、この状況における不合理を解消させるための措置として随時改定を行います。
→ 等級の変動が1等級だったとしても、改定の対象になります。健康保険と厚生年金では上限に違いがありますので、混同しないようにしてください。

報酬月額変更届ポイントその3)3カ月とも月の賃金支払基礎日数が17日以上

賃金の支払い対象となった日=賃金支払基礎日数は、給料の支払いの対象になった日のことです。月給制の場合、その月に風邪で欠勤したとしても本来の暦日数が賃金支払基礎日数です。

日給や時給の人の場合には、出勤日数が賃金支払基礎日数です。また日給月給の場合にはその月の所定労働日数から欠勤日数を除いたものが賃金支払基礎日数ですので、紛らわしいのですが明確に区別するようにしてください。

報酬が変動して、その後引き続き3カ月の全ての月が賃金支払基礎日数17日以上かどうかを確認します。

おまけ! 報酬月額変更届のその他の豆知識

報酬月額変更届は、報酬月額が大きく=2等級以上の変動があった場合に決められた要件を満たしたら行いますが、実際に報酬が大きく変動することが決定していても、その報酬が実際に支払われてから所定の手続きをします。支払い前に見切り発車しないでください。

変動した月を含めて、届出の対象となった3カ月間はもともとの標準報酬月額で保険料は決められ、4カ月目から新しい保険料になります。

一時帰休で低い休業手当を払った場合にも、それが続いて3カ月を超えた場合にも報酬月額変更届が必要です。さらに、その状況が解消し従前の報酬に戻った場合も同様です。

さいごに

報酬月額変更届に限った事ではありませんが、ミスや漏れなく提出することが重要です。報酬月額変更届のポイントは3つ。これを正しく理解しておけば、大半のミスは防げますので、知識を常にブラッシュアップしてみてください。

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