産業医にお願いする法定業務はこれだ!

【最終更新日:2017年11月1日】

産業医の選任をして契約する時に、どんな業務をお願いすれば良いのか?どういう基準で産業医への業務の内容を決めれば良いのか迷うことがありませんか?そんな時は、産業医にまずは法定業務を依頼してみてください。

基本的に産業医は、契約している事業場のすべての労働者に対して健康上の管理などは行いますが、主治医がするような診察・診断・治療は行いません。ですから、人事はその事業場の業務内容や就業環境などの情報を産業医と共有して、よりよい健全な職場を作るよう心がける必要があります。その上で、産業医には「法定業務」というものがあります。まずは、この法定業務を知ることで産業医について知っていただければと思います。法律で定められている産業医の法定業務と併せて、産業医が業務をする中で持ちうる必要な権利について順に見ていきましょう。

 

産業医の業務とは

産業医は事業主と契約をして、その契約先の労働者に対して、健康管理や就業制限、就業上の配慮に関する助言や各種の指導などを行います。この各種の指導というのは、労働環境や健康の維持・増進に対する指導といったものです。詳しくは、『えっ? 産業医って治療してくれないの? 産業医と主治医の違いについて』をご参照ください。

 

◯産業医の法定業務

ではまず、産業医の法定業務を見ていきましょう。産業医の職務に関しては、労働安全衛生法第14条(労働安全衛生法施行令第5条、労働安全衛生規則第13条等)などに規定があります。

労働安全衛生規則第十四条

年に1回以上の健康診断や面接指導、心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)の実施やその事後措置、就業上の環境に対する医学的見地からの助言など、重要な項目が多いことが分かります。産業医は近年ますます職域が広がっていますが、基本的な法定業務だけでも幅広くかつクオリティが求められる業務を行う存在であることがご理解いただけるかと思います。

 

産業医が持つ権利

産業医が業務を行う上で、必要な権利も法的に与えられています。それは、会社に対しての勧告権と指導・助言権、巡視権の3つです。

 

◯産業医の勧告権

労働安全衛生法第13条3、4項では、産業医の勧告権について触れられています。

労働安全衛生法第十三条

産業医は労働者の健康を確保するため、必要な場合には事業者に対して、労働者の健康管理などに必要な勧告をすることができます。そして、産業医からこの勧告を受けた事業者は、それを尊重しなければならないという規定があります。産業医は事業者との業務契約を結んでいますが、事業者・従業員の立場に関わらず、あくまでフラットな目線で職場の就業環境などを守るための業務を行います。

 

◯産業医の指導・助言権

それから、産業医がスムーズに業務をするためにも欠かせないのが指導・助言権です。労働安全衛生規則第14条3、4項を確認すると、下記のように記載されています。

労働安全衛生規則第十四条

産業医は必要に応じて、事業者に対して指導や助言をすることが権利として認められています。このことも、産業医が自らの業務を遂行する上で必要なことです。

 

◯産業医の巡視権

そして、産業医はこのような勧告や指導・助言を行うためにも、普段から職場の状況を正しく把握しておく必要があります。そのため、産業医の業務には、職場の状況を把握しておくための職場巡視をする権利も法律で保証されています。労働安全衛生規則第15条がそれに該当します。

労働安全衛生規則第十五条

産業医がその業務をより的確に行うためには、これらの法定業務をスムーズにできるための環境も必要です。

また、3番目の産業医による職場巡視は、これまで毎月実施をすることが義務づけられていました。しかしながら、2017年6月1日より条件付きではありますが、産業医の職場巡視が2カ月以内ごとに1回以上へと変更することが可能になりました。詳しくは『通達あり!! 産業医の巡視の規定が変更されました』をご参照ください。

 

さいごに

産業医は、安全で快適な職場を創るには欠かせない存在です。健全な職場を作るためにも、相性の良い産業医をぜひ見つけてください。自社の業種に強い産業医や、より強化したい分野に秀でた産業医と契約を結ぶなど、工夫してみると良いでしょう。

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