【Q&A形式】2つの方法で生理休暇濫用社員を撃退!

【Q&A形式】2つの方法で生理休暇濫用社員を撃退!

​生理休暇を利用するのは、社員の妥当な権利です。

しかし周りの社員や上司、人事を困らせるような利用方法をされる社員がいるのも事実です。どのように対応するのが良いのかまとめました。

【Qu】生理休暇への対応方法は?

昔から生理休暇を特定の女性社員で頻回に使用する人がいます。症状がつらいというのは理解できるのですが、あまり にも頻回だと業務に支障が出てしまったり、当然の権利という形でいられると他の社員、特に男性ではなく、女性からの不満が続出している状況です。社内の公 平性という観点からもどのような対応が求められるのでしょうか?

というのが、よくある質問のひとつです。

「生理休暇」を考える4つのポイント

労働基準法第68条「生理日の就業が著しく困難な女性に対する措置」の中で、「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」とあります。

女性社員からこの請求があったときは生理日に就業させることが出来ません。

注意事項が4つあります。

① 特別な証明(医師の診断書)がなくてもよく、同僚の証言程度でも実践する必要がある

(昭和23.5.5 基発682号、昭和63.3.14 婦発47号)

② 生理休暇の日数を制限することは出来ず、半日や時間単位で取得が可能である

(昭和61.3.20 基発151号、昭和63.3.14 基発150号)

③ 賃金の取扱いについては労使の取決めによって決まるため、制度上無給とすることは可能である

(就業規則の変更は可能、昭和23.6.11 基発1898号、タケダシステムズ事件最高裁昭和58.11.25)

④ 社員が生理休暇を請求して取得させなかった場合には、30万円以下の罰金がある

が通達や判例の観点から重要になります。

この4つのポイントは、生理休暇を考える上で非常に重要なポイントになりますので、アタマに入れておきましょう。

生理休暇乱用社員への対応は労務管理の考え方と同じ

現場で困っているのは質問と同様、これを盾に乱用する社員の場合です。

これは何も特別な考え方ではありません。

労務管理や労働衛生の考え方と全く同じです。月1回の生理によって「就業が困難な状態」であるために、休みや就業上の配慮をしなさいということですから。

しかし就業が困難な状態にも関わらず、生理という理由で休暇をもらうのであれば、それを「濫用」と呼ぶわけです。

そこに診断書の提出は不要ですが、生理が辛くて休んでいることが前提となります。

生理休暇を取得した上で、自分の都合(旅行など)のために使用し、判明した場合は、「就業が著しく困難であったとはいえない」として懲戒処分が認められたケースもあります(岩手県交通事件 平成8)。

【Ans】2つの対策で生理休暇濫用を防ぐ

具体的にどのような対策を上司や人事として実施できるのでしょうか。

この2つでおおよそ対策は講じれるはずです。

1.就業規則の改正での無給化

2.生理休暇日の事情チェック

1.就業規則の改正して生理休暇を無給化

通達や最高裁の見解があるように制度上、就業規則を改正し、生理休暇をする際には「無給」にすることは可能です。

当事者間の取決めに委ねられた問題であるため、生理休暇の取得を著しく抑制しない限りは労働基準法上違法ではないとしています(エヌ・ビー・シー事件)。

生理休暇の取得日を昇給・昇格の要件として出勤率の算定にあたり欠勤日扱いにすることは、無効であるとしています(日本シェーリング事件)。

一般の私傷病と同様、このような生理休暇を利用したことで一律に業務を評価しないで賞与の不支給や昇給停止を行うことは問題なのであって、結果としてパフォーマンスが低いということを理由とする場合は違法とされません(学校法人東邦学園事件)。

有給の生理休暇を年24日から月2日に変更し、有給率も100%から68%に変更することは様々な配慮及び濫用状況を考えて、合理性があり、改正規則は有効とされています(タケダシステム事件)。

就業規則の整備については、社会保険労務士や弁護士等専門家と相談して整備をしましょう。

2.生理休暇日の事情チェック

就業規則を変更せずに事情をチェックする方法もあります。

生理休暇の申請書に添付する資料を2点追加させます。

① 本人から生理によって具体的にどのような影響が業務上発生しているのかを記載させる

(就業可否の状況の確認)

② 診断書は不要で同僚の証言程度で良いことから上司や先輩同僚の女子社員からも証明書を記載してもらうこと

という運用を義務付け、このような手続きによらない生理休暇の申請は、年休としての振替に応じない限りは欠勤として対処することを宣言し、実行することとなります。

当然、濫用者ばかりに気を取られることなく、生理によって就業が著しく困難な状況もあるのだという認識は忘れてはならないことは、言うまでもありません。

裏ワザの生理休暇チェック

裏技的になりますが、実際に生理休暇を「休んでいるのか」チェックするということも出来ます。

例えば、生理休暇ということで就業も出来ないほどの状況として休んでいるわけなのですから、電話を午前や午後に実施すること、実際に家までチェックするということもやってよいでしょう。

あくまで濫用者には、就業できないくらいにきついから休んでいるという状況を認識してもらう、証明してもらうということです。

ただしここまで上司や人事がやると少々社員との関係を損なえる場合がありますので、この人は本当にひどいというひとにやるのは良いかもしれません。

生理休暇での産業医の関与方法

それでは、社員の生理休暇において産業医の関与はどのようにすればよいのでしょうか。

日常生活が損なわれるもしくは医療介入が必要とされるような強い症状が定期的に発生するのは、約5%、不定期であれば、15%程度と報告されています。

強い痛み等によって業務遂行ができない場合が想定されます。

その場合、産業医としては適切な健康管理のサポーター、コンディションを整えるという意味で、女性社員に対して婦人科受診を勧めることが必要となります。

多くの女性社員は、婦人科を受診することに対して抵抗感や不安感があります。従って、おおまかにどのようなことを聞かれて、検査を受けるのかを伝えるだけで安心し、受診促進となります。一方で、安易に就労制限をかけることは得策ではありません。

また漢方等のお薬によって症状がかなり改善されることもあります。そのような情報を社員と共有するだけで生理休暇の取得が下がることも経験されます。

以上、生理休暇に対して人事として、上司として、産業医としてどう関わればよいのかまとめました。

【参考資料】

労働基準法:これは一度は目を通しておきましょう!

ロア・ユナイテッド法律事務所:非常にわかりやすいHPです!オススメ!

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