平成27年国民健康・栄養調査報告から見える働くひと世代の最新状況とは!?

平成27年国民健康・栄養調査報告から見える働くひと世代の最新状況とは!?

厚生労働省は、健康増進法に基づき、国民の身体の状況、栄養素等摂取量及び生活習慣の状況を明らかにし、国民の健康の増進の総合的な推進を図るため、平成27年「国民健康・栄養調査」の結果を発表しています。この調査結果を踏まえた上で、世代等の特徴にあわせた対策を行うことを目的としています。注目すべき点は多々ありますが、今回は働き世代に関係してくるポイントを3つピックアップして、働きながら健康を維持・増進するためにはどうしたらいいのかを解説していきます。

調査結果からわかること

「国民健康・栄養調査」では、無作為抽出した対象者を対象に生活習慣に関する調査を行っています。では、この調査からはどのようなことがわかり、どのような点を改善していけば、生活習慣をよりよくすることができるのでしょうか。3つのポイントごとに説明していきます。

Point1)野菜を摂ると4つのいいことがある

1日の食事の中で主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を2回以上食べることが「ほとんど毎日」の人は、男性47.6%、女性52.7%という調査結果がでており、年代別にみると、男女ともに若い世代ほどその割合が低い傾向にあります。そのなかでも組み合わせて食べられていないものは「副菜」が最も高く、それぞれ76.7%、74.0%です。この「副菜」とはどのような食事を言うのでしょうか。「副菜」とは主にビタミン、ミネラル、食物繊維の供給源になるもので、野菜・きのこ・いも・海藻料理が該当します。主食(お米などの炭水化物)や主菜(お肉やお魚)が取り過ぎてしまいやすい一方で、この「副菜」は少なくなりやすいのです。

では、なぜ野菜を取らなくてはならないのでしょうか。野菜を摂ることのメリットを4点紹介します。

  • 野菜の含まれる食物繊維が血中の悪玉コレステロールを下げる。
  • 野菜に多く含まれるカリウムは、体内の余分な塩分(ナトリウム)を積極的に排出させる働きがあるため、血圧を下げることが証明されている。
  • エネルギー(カロリー)が低いため、肥満防止になる。
  • 体の調子を整える栄養素である、ビタミン、食物繊維が豊富である。

野菜は食物繊維、ミネラル、ビタミンの摂取源であり、1日あたり350グラム以上が適正量です。ほうれん草のおひたし小鉢1杯分が約70グラム、大きめのお皿に盛られた野菜炒めが140グラムですので、小鉢だと5杯分が目安です。

調査結果によると、野菜摂取量の平均値は293.6グラム であり、男女別にみると男性299.4グラム、女性288.7グラムと、350グラムを満たしていないことが分かります。普段から意識的に野菜を摂らないと、適性量を摂取するのは難しいのです。

Point2)1日30分の運動で生活習慣病を予防しよう

運動習慣のある人の割合は、この10 年間で大きく変化はみられず、男性37.8%、女性27.3%であることが分かります。年齢階級別にみると、特に20 歳代で最も低く、それぞれ17.1%、8.3%と低値を示しています。

運動は、血圧を下げるだけでなく、肥満の解消を助け、血中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減らし、善玉コレステロールを増やします。生活の中に運動を取り入れることで、健康への第一歩となるのです。

生活習慣病予防に適した運動には、「定期的な運動」と「日常生活でからだを動かす」があります。

「定期的な運動」

からだに負荷がかかりすぎない、軽めの運動を指します。血圧の低下や減量に効果が期待できます。1回30分くらいを目安に行いましょう。運動負荷の目安としては、運動後軽く息があがり、汗ばむ程度の有酸素運動を目指しましょう。

例)ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳(ゆっくり)

「日常生活でからだを動かす」

通勤時や家事の中で、意識的にからだを動かすことで
減量、血圧コントロールに効果的です。すぐには効果がでないかもしれませんが、継続して行うことでゆっくり効果が現れます。

例)エスカレータを使用せずに階段を使う、通勤時一駅歩く

「定期的な運動」は30分/日×3回/週が目安です。中には仕事が忙しく、1日の中で30分まとまった時間を取れない人もいますよね。そのような人におすすめなのが「細切れ運動」です。「細切れ運動」とは1日の中で10分×3回などこまごまと運動をすることで、30分間連続でがっつり運動を行うのと同じ効果が期待できると言われています。自分が実践しやすい運動方法を見つけ、「日常生活でからだを動かす」と並行して行うことで、健康の維持・増進につなげていきましょう。

Point3)まずは1日の適正飲酒量を知ろう

次にアルコールです。生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している人の割合は、男性13.9%、女性8.1%であり、年齢階級別にみると、その割合は男性では50 歳代、女性は40 歳代が最も高くなっています。近年では女性の社会進出が進み、飲酒機会が増えたことから、若い女性の飲酒量も増えています。

また生活習慣病のリスクを高める男性の飲酒量(清酒換算で2合以上)を正しく知っている人の割合は、男性27.2%、女性23.8%であり、生活習慣病のリスクを高める女性の飲酒量(清酒換算で1合以上)を正しく知っている人の割合は、男性21.9%、女性23.6%と、どちらも低く、適正飲酒量を知っている人は少ないことが分かります。

飲酒は、適量であればストレス解消や食欲の増進、コレステロールの調整など生活習慣病の予防効果が認められています。しかし多量飲酒は、高血圧の原因となる、糖尿病のリスクを高める、肝機能が低下するといった生活習慣病につながります。

飲酒は悪いことではありませんが、多量になると健康被害が著明に現れることからも、適正量を知り、飲みすぎないことが大切です。

アルコールの種類別の適正量

  • ビール ロング缶(500ml) 1本
  • ワイン 2杯(240ml)
  • 焼酎 200ml
  • 日本酒 1合(180ml)
  • ウイスキー ダブル1杯(60ml)

上記の適正量は1日分であり、1週間で考えると、日本酒換算で7合以内が適正量となります。また週に2日は休肝日(お酒を飲まない日)をつくり、肝臓を休めてあげることも大切です。アルコールへの耐性は個人差があるため、適正量だけではなく自身の体質や体調を把握し、節度ある飲酒を心がけましょう。

さいごに

働き盛り世代の特徴として、1. 野菜の摂取量が少ない、2. 運動量が少ない、3. 飲酒の適性量を知らない人が多い、の3つが挙げられます。働き盛りの世代は、自身の健康がおざなりになりやすく、気がついたら生活習慣病になっていたという人も多くみられます。まずは自身の健康に意識を向け、普段の生活の中で改善できることを一つ見つけ、実践することから始めてみましょう!

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