今週は自殺予防週間!! 企業ができる自殺予防対策を見なおそう

今週は自殺予防週間!! 企業ができる自殺予防対策を見なおそう

自殺の現状と自殺予防週間

日本の自殺者数は欧米の先進国に比べても高い水準で、2003年には3万4千人もの人が自らの手で命を断ちました。近年の自殺者数を見ると減少傾向ですが、依然として高い人口比で推移しています。生活の行き詰まりや重いストレスなどを抱えた「自殺予備軍」も含めれば、非常に多くの人がそのリスクにさらされているといえます。

自殺の大きな原因としては、病気などの「健康」、貧困を含む「経済」、介護疲れなど「家庭」、職場環境や人間関係の「仕事」が上位を占めています。年代別に見ると20代までの青年期は孤独や将来への不安、40から50代の働き盛りは家庭を支えるプレッシャー、65歳からは人生の先行き不安や病気などが引き金になる傾向があります。

いずれの原因でも本人の努力だけでは解決が難しく、悩みを抱え込んだまま自傷に及んでしまうケースが多く見られます。周囲への相談やカウンセリングを経て立ち直ることは少なくありませんが、原因の根本的な解決には至らず再発してしまう場合も。ある程度の傾向は見られても人によって置かれている状況が違うため、全てに当てはまる完璧な解決方法は見つかっていません。しかし自殺は本人だけの問題ではなく、職場や家族も巻き込んで影響を及ぼすのもの。自殺予防のために取れる手立てを、根気強く行っていくのが大切です。

このような背景を受けてできたのが、自殺予防週間。9月10日の「世界自殺予防デー」にちなみ、毎年9月10日から16日までの一週間がその期間として設定されています。「自殺はその多くが防ぐことのできる社会的な問題である」という世界保健機関の提言をふまえ、失業や残業といった労働環境を含めた原因を研究し、各自治体が自殺予防の啓発に努めています。

問題に関して「本人の心が弱いから」「自分で命を断つのは無責任」といった偏見は未だ社会に根強く、自己責任で片付けられてしまうことも少なくありません。自殺予防週間では「どうしてそこまで精神的に追い込まれたか」という観点で、それを防ぐ手立てを考えるのが大きな目的です。

また防止に向けて努力するのは個人や自治体だけでなく、経済活動を担う企業も対象です。経済問題が自殺の大きな理由になっている以上、個々の事情だからと無視はできません。スタッフが抱える悩みの解消を手助けして、いきいきと働いてもらいたいもの。それでは企業はどのように、自殺予防対策を行えば良いのでしょうか。

企業ができる自殺予防対策とは

仕事とストレスは密接に関わっていて、それがうつ病や自殺など深刻な事態を引き起こすケースは少なくありません。ストレスの種類も残業や休日出勤など肉体的なものと、ノルマや職場の人間関係といった精神的なものがあります。両者がはっきりと区別できるわけではなく、肉体的な疲れが精神的な行き詰まりを生んだり、その逆のパターンもよく見られます。職場でうまく行かないことが家庭にまで尾をひいて、不眠になったというのもよく聞かれる話です。

企業が行うストレス対策として、代表的なものはスタッフへの個人面談。上司が見落としていたプレッシャーや人間関係を素直に話してもらうことで、能率アップと悩みの解消につながります。これによって自殺寸前まで追い込まれていたスタッフが、本来のパフォーマンスを取り戻す場合もあります。一方でスタッフが警戒して面談が形だけのものになったり、上司が叱責して逆にプレッシャーをかけてしまうという問題も少なくありません。成績や人事査定に関係なく、あくまでフランクな話をする前提で行うのが大切です。

また自殺予防の根本的な手段となるのが、職場環境の見直し。長時間勤務が常態化し、スタッフはノルマに追われ人間関係もギスギスしている。そのような環境では、いつ誰が身体や心を壊してしまってもおかしくありません。通常の勤務時間内で仕事を終えられるよう効率化したり、スタッフや上司が助け合える雰囲気を作れれば、個々が受けるストレスは減少するでしょう。とはいえ形式的なノー残業デーやミーティングを設け、うまく行ったという事例は多くありません。自宅へ仕事を持ち帰ったり、会議に時間を取られ非効率になっては逆効果。これは他企業での成功ケースを研究して試し、少しずつ積み重ねるのが得策と言えます。たったひとつの環境改善が、ストレスや自殺からスタッフを守るきっかけになるかもしれません。

最後のポイントは、一人ひとりの家庭や趣味について可能な限り把握すること。プライベートの範囲で企業が踏み込みにくい所もありますが、働いているのはいち個人なので無関係とは言えません。会社から家族へちょっとしたプレゼントを贈って、労働意欲が高まった例もあります。またそれまで孤立気味だったスタッフが趣味の話をきっかけに、職場へ溶け込んでいきいきしだしたという話も。制度やシステムだけでなく、どうやったら個々が気持ちよく仕事できるか追求するのも大切です。業績とも多く関わるメンタルの問題を、自殺予防週間をきっかけに考えてみてはいかがでしょうか。

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