義務化スタート!! 「ストレスチェック制度」で生じる7つの義務

「ストレスチェック制度」で生じる7つの義務

【更新日】2017年7月24日

2015年12月1日から従業員50名以上の全事業場に対してストレスチェック実施が義務付けられました。新たに導入されたストレスチェック制度は、これまで企業に年1回義務付けられてきたフィジカル面の健康診断のメンタル版といった位置付けです。ストレスチェック制度施行に伴って、企業に生じる7つの義務とふたつの努力義務について説明します。

ストレスチェックの実施義務

義務1:ストレスチェック制度の実施方法を衛生委員会が調査審議すること

衛生委員会は、労働安全衛生法に基づき常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに設置が義務付けられています。衛生に関することを調査審議し、事業者に意見を述べるための機関で、毎月1回以上開催しなければなりません。衛生委員会において、ストレスチェックについて審議を行い、自社におけるストレスチェックの実施方法を規定として定めなければなりません。

義務2:事業者が労働者に対してストレスチェックを行うこと

ストレスチェックを実施するにあたって事業者は、ストレスチェック制度担当者、ストレスチェックの実施者、実施事務従事者を選びます。ストレスチェックの実施者は事業場または委託先外部機関(外部委託業者の選び方についてはこちら)の医師、保健師、一定の研修を受けた看護師、精神保健福祉士でなければなりません。どのような調査票を用いるかについて、「仕事のストレス要因」、「心身のストレス反応」、「周囲のサポート」の3領域を全て含まれていれば事業者が自ら選択可能ですが、厚生労働省では標準的な調査票として「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」の使用を推奨しています。
なお、ストレスチェックは事業者の実施は義務ですが、労働者にとっては全員受検が原則であるものの、受検は義務ではありません。義務となっていないのは、すでに通院されている労働者への配慮からですので、受検しない労働者にそれを強要したり、受検しないことを理由に人事等で不当に扱うことはできません。

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義務3:受検した労働者に対して、実施者からその結果を直接本人に通知させること

ストレスチェックの結果は、実施者または実施事務従事者から受検者本人に通知します。その際、他者に見られないよう封書や電子メール等で結果を通知します。Webによるチェックを行った場合については、労働者が結果を出力・保存、閲覧できるようになっていれば通知は不要です。

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ストレスチェック結果に基づく医師の面接指導義務

義務4:高ストレス者に医師による面談指導を実施すること

高ストレス者のうち、実施者が面接指導を受ける必要があると認め、その労働者からも面接の申出があった場合、事業者は医師による面接指導を実施しなければなりません。面接に発生する費用は、すべて事業者が負担します。面接指導ができるのは医師のみです。面接指導を通じて、ストレスへの気づきを促すとともに、ストレス対処法といったセルフケアの方法を指導します。面接指導は原則として対面で行いますが、対象者の状況を十分把握でき、テレビ電話等のICTを活用することに合理的な理由があるなど一定の条件を満たした場合、事業者の判断で活用することが可能です。

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義務5:事業者が、面接指導を行った医師から就業上の措置に関して意見を聴取すること

事業者は面接指導を行った医師から、面接対象となった労働者の就業区分や配置転換など、就業上の措置について意見を聞きます。その労働者が、通常業務を続けてよいか、勤務に制限を加える必要があるか、休業が必要かなど就業上の措置について医師の見解をヒアリングします。意見聴取は、医師の面接指導後1カ月以内をめどに実施しなければなりません。

義務6:医師の意見を勘案し、必要に応じて適切な措置を講ずること

医師の意見を聞いて必要があると認められる場合には、労働時間の短縮や、就業場所の変更といった措置を講じ、衛生委員会などへ報告する必要があります。必要な措置は、医師からの意見聴取後1カ月をめどに遅滞なく実施しなければなりません。

義務7:本人の同意を得て取得したストレスチェックの結果を5年間保存すること

事業者は、医師から聞いた内容を記録し、5年間保存する義務を負います。労働者の同意が得られていない場合には、事業者はストレスチェック結果の記録の作成、保存が適切に行われるよう、保存場所の指定、保存期間の設定、セキュリティの確保など、必要な措置を講じなければなりません。ストレスチェック結果の記録の保存については、実施者が行うことが望ましく、実施者が行うことが困難な場合には、事業者が記録の保存事務担当者を指名します。

結果の集団ごとの集計・分析に関する努力義務

努力義務1:ストレスチェック結果を一定規模の集団ごとに集計・分析すること

実施者は衛生委員会で決定した職場・部署単位で結果を集計し、集団的分析を行います。事業者は、実施者にストレスチェックの集団分析を依頼し、その結果を入手することができます。特に高ストレス部署間、事業所単位などで比較や、経年的な変化を分析することでラインケアの強化につながります。ただし、1集団10名以下の場合には、個々の労働者が特定されないよう、分析を行う際にその集団すべての労働者の同意が必要となります。

努力義務2:集団分析結果を勘案し、必要に応じて適切な措置を講じること

衛生委員会等を通じて、集団分析結果に基づき職場環境を評価し、対策を検討します。組織体制や制度を見直したり、高ストレスの部署に具体的な対策を指示したり、管理監督者に教育研修を企画するなどの対策が考えられます。集団分析結果は、職場改善の大きなヒントになります。集団分析自体は努力義務ではありますが、これだけの手間をかけてストレスチェックを実施するわけですから、可能な限り分析結果を職場環境改善のために活用したいものです。

集団分析の実施とその後の措置に頭を悩ませる人事担当者の方が非常に多いです。分析結果が出たのはいいが、それをどう対策に結びつけたらよいか、対応策に苦慮しているケースがほとんどだといえます。そういった場合、ストレスチェックの実施前に事後のフォローまでを想定したサービスを利用してストレスチェックを実施してみるのもよいかもしれません。

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さいごに

以上が、ストレスチェック制度の開始に伴って事業者に新たに課せられる義務および努力義務になります。ストレスチェック制度の目的は、労働者のメンタルヘルス不調の未然防止です。未然防止には、職場環境の改善と、労働者自身のストレスマネジメント(セルフケア)能力の向上という両輪が求められます。ストレスチェック制度を、義務による負担増、コスト増ととらえるのではなく、労働者や職場のストレス状況を改善に結びつけ、働きやすい職場環境を通じて、生産性の向上につなげるきっかけととらえ、前向きに活用していきましょう。

最後に忘れてはいけないのが、労働基準監督署への報告です。ストレスチェックを実施したとしても、労働基準監督署への報告を怠った場合や虚偽の報告をした場合、 労働安全衛生法の第百二十条五項により50万円以下の罰金に処せらるため、注意が必要です。

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