「休職したら復職できないですよね?」と不安がられたら人事はどう答える?

「休職したら復職できないですよね?」と不安がられたら人事はどう答える?

「休職」の言葉を人事から共有された従業員は一般的にとても「不安」になります。休職したら職場に居場所がなくなるのではないか、自分のキャリアはどうなるのか、休職後同僚は同じように自分を受け入れてくれるだろうか、さまざまな不安を感じます。従業員が休職、復職に対して抱える不安を取り除くために、人事はどのような対応ができるのか考えていきましょう。

休職への不安は、休職の意味をわかっていないから?

従業員はなぜ休職への不安を抱くのでしょうか。休職は本来、復職に向けた回復期間として会社を一定期間休むための制度ですが、休職を実質的な解雇と捉えてしまう従業員も多くいます。そのような従業員に休職とはどのような制度なのか、どのようなメリットがあるのか、説明することで不安は解消されます。

休職とは、労働者側の都合で一定期間、会社を休む制度です。「労働者側の都合」の主な理由は、病気やケガ、介護があります。メンタルヘルス不調も病気に含まれるため、休職の理由になります。一方で、会社の都合で一定期間会社を休む場合は、休業になり、休職とは異なった制度が適応されるので、注意が必要です。

休業と休職の違いに関しては、「【説明できる?】「休業」と「休職」、混同する2つまとめました」に詳しくまとめましたので、ご覧ください。

休職が可能な期間や、休職中の賃金は会社の規定によってさまざまですが、定められた期間内に体調が回復すれば、会社側は復職を拒否できません。休職とは、就業が困難となった社員を解雇するための制度ではなく、休養することで体調の改善を図り、再度就業することを目指す制度であるため、定められた期間内に体調が改善すれば、必ず復職できることを伝えましょう。

休職後の不安を取り除くには、復職基準を説明しよう

「定められた期間内に体調が改善すれば、必ず復職できる」と言われても、どのような基準で体調が改善したと判断されるのか、判断基準が曖昧なのではないか、と心配する従業員もいるでしょう。復職の判断基準を従業員に伝えることも、不安を取り除く上で効果的です。知っておくと役立つ、復職の判断基準を簡単に説明したいと思います。

復職の判断基準は以下の5つです。

  • 従業員が復職に対して十分な意欲を示していること(=就業意欲力)。
  • 食事や外出などの生活リズムが整っていること(=リズム力)
  • 1日の疲労が翌日までに回復できる体力があること(=回復力)
  • 通勤時間帯に一人で安全に通勤できること(=通勤力)
  • 職場環境に適応できるかどうか(=適応力)

これらのポイントを満たせれば復職が見えてくることや、満たすことができるよう会社も支援していくことを伝えましょう。明確な目標を伝えると、休職への理解を得られ、復職という目標に向かって前向きに取り組むことができるのです。しかしあくまでこの5つのポイントは最低条件のため、実際に復職するためにはこれにプラスして、職場の受け入れ準備が整うこと、そして主治医・産業医の意見を踏まえた上で、会社側が復職可能の判断することが必要ということも忘れずに伝えましょう。

復職を判断するポイントについてさらに詳しく知りたい方は、「【産業医が教える】人事が復職を判断できる5つの基準」をご覧ください。

休職の不安を解消するために知りたい!復職できる人は何%?

メンタルヘルス不調で休職している従業員を抱える企業は多いです。企業の規模が大きくなるにつれ、可能性は上がってきます。実際にメンタルヘルス不調により休職となった従業員を抱える企業はどれくらいあり、その中の何%の従業員が復職できているのでしょうか。厚生労働省の「職場におけるメンタルヘルス対策に関する調査」をもとに、実態を見ていきたいと思います。

健康診断等で異常所見が出ている従業員をフォローアップしている企業は60.8%、そのうちメンタルヘルスでは59.9%と約6割の企業が、事案に応じて主治医と連携し、フォローアップを行っています。そして過去3年間で病気により休職した従業員を抱える企業は52.0%と、約半数の企業で休職者が発生しています。その中で、休職後の復職率は51.9%と、約半数の従業員が復職しています。
この数字を多いと感じるでしょうか?それとも少ないと感じるでしょうか?

51.9%という数字にはメンタルヘルス不調だけではなく、がんや脳血管疾患などのフィジカル疾患も含まれているため、一概にメンタルヘルス不調の従業員の復職率とは言えません。しかし休職後に退職した理由を見てみると、がん(42.7%)、メンタルヘルス(42.3%)、脳血管疾患(41.6%)と、メンタルヘルス不調が理由による退職が二番目に多いことがわかります。メンタルヘルス不調の従業員の退職率を、再発の状況別にみると、再発の割合が高くなるほど高くなっています。このことから、メンタルヘルス不調は完治したように見えても、再発の可能性が十分にあるため、復職後のフォローアップも忘れてはいけないことが分かります。

当調査においても、今後の疾病対策における経営・労務管理上の重要課題を、「メンタルヘルス」であると答えている企業が72.2%と最も高くなっていることや、平成27年12月にストレスチェックが開始するなど、企業のメンタルヘルスにおける関心度は年々高まっており、対策をPRとして掲げる企業も増えてきています。今後、企業における健康経営がより有意義なものとなることで、休職者の復職率が今よりも高くなることを期待できるのではないでしょうか。実際に休職後の復職率が高い企業であれば、現状を伝えるだけでも、不安の軽減につながります。現状を伝える際は、個人情報が特定されないように気をつけて伝えるようにしましょう。

さいごに

休職は場合によっては解雇につながるケースもあるため、トラブルが起きやすい部分です。しかし休職が適応となるべき従業員が、休職を拒否しそのまま働き続けた場合、従業員の健康が危険にさらされるだけではなく、会社側の落ち度となる場合があるなど、更なるトラブルの原因となってしまいます。休職の意味や復職基準を伝えることで、従業員の納得と理解を得て、人事と従業員が一緒に復職を目指せるような健康経営を目指していきましょう。

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